2010年7月17日土曜日

この子の人生に意味はあったのか

読売新聞2010年7月16日朝刊の編集手帳を紹介する。

詩人まど・みちおさんに『まわって あそぼう』という一編がある。〈いそいで まわろう/ぐるぐる ぐるぐる/いそげば けしきも/おおいそぎ/ぐるぐる ぐるぐる/めもまわる〉◆遊園地のメリーゴーラウンドはいつも、幼い歓声に包まれている。日曜日の公園に行けば、お父さんやお母さんに抱き上げられ、ヘリコプターのプロペラのようにまわっている子がいる。「まわる」ことは子供たちにとって至福の時間のはずである◆その子もまわった。木馬の上でも、親が差し上げた腕の上でもない。洗濯機のなかである◆福岡県久留米市で、5歳の女の子、萌音(もね)ちゃんが母親に首を絞められて死亡した。逮捕された母親(34)は、手足をひもで縛って洗濯槽に座らせる虐待をしていたと供述し、「洗濯槽に水を入れてふたを閉め、スイッチを入れて回転させたことも何度か、あった」という。しつけのためだった、そう供述している◆死ぬ間際、萌音ちゃんがこの世の名残に思い浮かべた景色は何だったろう。耳に残した音は何だったろう。洗濯槽の壁か。あの振動音か。どうか、ほかのものであってほしい。

読みながら涙がこぼれました。事情は当人にしかわからない。私は子供がいないから子を持つ親の気持がわからない。ただこうして涙を流すだけです。世界はそれでも回り続けます。どうすればいいのかわかりません。本当に悲しい。若い頃はこんなこと思いもしなかった。歳を取るってこういうことなんでしょうか。久しぶりのブログにこんな青臭いことを書くとは思いもしませんでした。世間の学校では今日から夏休みですかね。子供たちにはたくさん遊んでほしいです。